2014/06/11

詐欺師と列車 日本一周63話 北海道


とある詐欺師の噂。

旅人の間で話題にあがる話がある。日本24周しているという男だ。
はじめは優しいそぶりを見せて近づき、油断させて現金を盗むという。
あくまでも噂だが気をつけて損はない。まあ会うことはないっしょ!



本編はじまり!
世紀末な濁り空。今年の北海道は梅雨があるかのような天気です。
まず朝ごはん。すると宗谷岬で仲良くなった方が車から出てきました。
まさかの再会に朝から温かい気分です。いい一日になりそうだ(^^)



こんな薄汚い旅人だってのに、駅員さんも笑顔で挨拶してくれます。
「ここの人達めっちゃ優しいな~!」先生と嬉しい気持ちになりました。
なんと差し入れも頂いちゃいました。本当に感謝するばかりです。



どこまでいこっか!ちいさな地図を指差して今日の作戦を立てます。
ちなみに先生は『ツーリングマップル』を全巻常備。もちすぎやろ!笑
相談して列車に泊まれるという道の駅に決めました。走り出します!



雨がふったり止んだり気まぐれな空模様。霧が厚く視界が霞みます。
「お?前にチャリが見える。あれは・・・まさか。ヨウさぁああーん!」
北海道行きのフェリーで一緒だった旅人、台湾人のお兄さんです。



再会に感動!先生も自分と会う前に彼と知り合ってたみたいです。
みんなでテンション上がります。映画かよ!旅人の繋がりすげーな!
見知らぬ都会の駅のホームで、同級生と出会ったような気分です。



ヨウさんと別れてしばらくしてコンビニ休憩。雨のせいかシンドい!
先生はとレジの店員さんに一目惚れ。生きる力に変えて走っています。
「ごとぉおおーさぁああーん!」後ろで叫び声が聞こえんだけど(笑)



「ガタンガタン。ガタンガタン。」 これってまさか・・・パンクだー!
「これすぐ直せますよ!」先生が手を真っ黒にして手伝ってくれました。
一人だったら泣いて修理してたわ。本当に助かったよ。ありがとう!



すこし走ると先生との距離が開いていました。先に着いて待っとこ。
おかしい宿が見えない。ナビを確認してみます。通り過ぎてた\(^o^)/
急いで逆走してとーちゃーく!なんと先生が待ってくれてました!笑



『道の駅 おこっぺ』。ここは使わなくなった列車を改造した無料宿がある駅。
名前を書いて宿泊手続きを済ませる。駅の方によると他にも宿泊者がいるらしい。
するとさっそく登場します。イヒヒッと笑うお爺さんです。地元の人だろうか?


ここの施設はよく利用しているみたいで、駅員さんかのごとく案内してくれます。
「まずは自転車を持ってきな。イヒヒッ。荷物外に置いてたら濡れるぞぉ。イヒヒッ」
「はーい!」お爺さんの後ろを歩いて、列車まで移動して自転車を止める。


すると横にはビニール袋や段ボール箱でカスタマイズされたママチャリが一台。
このお爺さんも旅人だったのか!じっくり見ると段ボールに『日本24周中』の文字。
これって・・・旅人の間で噂になってる詐欺師じゃねーかあああーーー!!!


北海道に来て色んな人から、日本24周の男には気をつけろと言われていました。
旅人と仲良くなったところを油断させて、現金を盗むらしい。まさか本当にいるとは。
ただ噂で人を決めつけるなんてことはしたくない。自分が見たものを信じたい。


詐欺師だったとしても人間色々。ジャイアンも悪いヤツだけどいい時もある。
もちろん自分だって優しい気持ちの時もあれば、機嫌が良くないときだってある。
もしお爺さんが改心しようという気持ちだっなら・・・それはあんまりだ。



すると彼と過ごしたという旅人から連絡。「罪悪感が欠如してるので用心してね」。
最低限の会話で乗り切ることに。「お前らどこから来たんだぁ?イヒヒッ」「長崎です」
「俺の嫁も長崎だぁ」「へ~!そうなんですか」「別れたがな。イヒヒッ」「・・・。」


たぶん先生も噂の男だって気づいている。はやく作戦会議して対策を練りたい!
しかし中々その隙を与えてくれません。「トイレはこっちだぞぉ。イヒヒ」と案内しだす。
ようやく一段落。寝床は雑魚寝式でお爺さんとは隣。荷物で防御壁を作りました。


外は雨がザーザー降っています。先生と相談して、今日はこの宿に泊まることに。
小声や顔芸でコンタクトを取りながら過ごす。しばらくして列車に別の男が現れました。
だけど中々入っこない。ウッドデッキのタイルをブツブツ数えています。こえー(゚Д゚;)


何十分もそれを続けるのでお爺さんもキレます。「中に入らんのかぁ!何だあの男はぁ!」
怒鳴るも男はガン無視。数時間してやっと中に入ってきたと思えば、自分の横に寝そべります。
そして謎の呪文を唱えだしました。一分ほど経つと「ビディヒヒッ」と馬の鳴き声を出します。


そのサイクルを何セットも繰り返します。この空間なんなんだよぉおおおーーー!!!
もう笑うしかない。唖然としてるとお爺さん「お前らどっからきたんだぁ?イヒヒッ」「長崎です」
その話さっきしなかったっけ? 「俺の嫁も長崎だぁ。別れたがな」「・・・。」はいはい。



室内デンジャラスすぎる。こうなったらこの状況を楽しんでやるぜ\(^o^)/
『必殺オレらの方がヤバい奴ら作戦』・・・!!この中で一番危険な存在になろう。
先生が陽気にボイパを刻みはじめます。「Bo Tsu Puf Tsuk , Boku Tsuk Puf Tsuk」


僕も覚えたてのエセボイパで応戦します。「Bo Tsu Puf Tsu , Bo Tsu Puf Tsu☆」
めっちゃ楽しくなってきたぞ!リズムにノってきたので体でもビートを刻みだします。
先生は進撃の巨人のメロディも加えだしました。レベルが違う。さすがすぎる!笑


楽しい空間に早変わり!一人だったら頭おかしくなってたわ。行動おかしいけど(笑)
先生ありがとう。列車の窓に目を向けるとすっかり夕方になりました。メシにするかー!
カンパーイ!サッポロビールを飲みながら、旅話を話題に楽しい時間を過ごします。


「こんにちわ~!」しばらくして列車に新しいお客さんが登場。関西の30代カップル。
やっとまともな人きたぞー!そう思っていたら、旅の価値観を押しつけてくる男でした。
イヒヒッお爺さん、ビディヒヒッ男、価値観押し付け男。濃ゆいメンツだなー。


こういう宿だししやーないか。色んな人たちが集まるの分かってんだし!
話のネタができたと思って朝まで耐えよう。羊1000匹数えれば寝れるだろ。
念のため貴重品をポケットの中に入れてそのまま寝袋へ。おやすみ!


次回につづく。。


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