2014/08/15

未来の旅人 日本一周128話 和歌山-和歌山


景色や食もいいけど出会い。

ずっと来たかった高野山。和歌山県高野町にある山々の総称だ。
かの有名な密教の伝道師『空海』の総本山として名が知られている。
今年創業1200年を迎えるそうだ。気合を入れて修行がはじまる!



本編はじまり!
ミンミンミンミン。ある葉月の真夏日、セミの鳴き声で目覚める。
あまりの蒸し暑さに顔がゆがむ。僕は勢いよくテントを飛び出した。
ベンチに座って麦茶を一杯。落ち着いた所で身支度をはじめる。



道の駅のトイレへと歩いていく。すると旅人らしき人物が現れた。
少年のような若々しい目をした青年。彼は工学部の三年生であった。
相棒は自作のソーラパネル設備と無線機を積んだ自転車だという。



たまげた!もはやマシンではないか。これで香川の実家に帰るそうだ。
朝から素敵な出会いに嬉しくなる。彼のおかげでいいスタートが切れた。
さぁ今日は密教の聖地を観光予定だ。寺のある山まで登りはじめる。



そう空海の高野山だ。滋賀で訪れた比叡山と並ぶ密教の聖地である。
密教は他の仏教と違い、文書でなく行為によって伝承されていくそうだ。
だから神秘のベールに包まれている。不思議ハンターの血が騒ぐ。



ちなみに空海はDBだと努力型の悟空と言える。最澄はベジータだ。
観光ではバスで登るのが一般的だが、意地でも自転車で頂上を目指す。
高くなる太陽に喉が渇く。自販機が見えた瞬間には笑みがこぼれた。



入口の大門に到着した。ここでは地元のお兄さん2人と出会った。
彼らも自転車を漕いで来たのだという。僕の旅をひどく驚いてくれた。
自転車の旅に興味があるそうで、会ってわずか数分で仲良くなった。



別れを告げて道を進む。警備のおじさんに応援されつつ山頂へ。
観光地化された雰囲気は拭えないが、やはり聖地だ。気が引きしまる。
今記事も何故か「ですます調」でなく「である調」になっている。



さっきのお兄さんと再会もした。一緒に観光するのは当然の流れだ。
きっと何かしら縁があったのだろう。目にうつる全てのことはメッセージ。
ジブリ映画『魔女の宅急便』のエンディングでユーミンも言っていた。



「好きなもんくいや〜!」柔らかい関西弁でお昼をご馳走になった。
木があれば登るし、川があれば飛び込む性格の兄さん。親近感が湧く。
気さくな彼は地元のことを教えてくれた。こういう出会いは嬉しい。



なんとお菓子もご馳走になることに。まことに至れり尽くせりである。
話しは尽きない。旅の事について目を輝かせて、質問の嵐がやってきた。
自分ではまだ未熟だと思うが、それなりに旅しきたことを実感する。



楽しい時間が過ぎるのは一瞬。一期一会を感じ手を振って見送る。
部活の先輩のような二人だった。地元に帰ったような気持ちになった。
小さくなる背中に寂しさを感じる。一日ありがとうございました!



最後に一人で高野山を散策する。なにやら面白い行事を見つけた。
十戒という生きてく上でのルールを学べるそうだ。さっそく受付を済ます。
気になるその具体的内容は、僧が唱える言葉を復唱するというもの。



奥の部屋に案内され座禅を組む。周りを見ると他に数名の姿がある。
はじまると運動会での君が代の空気だ。皆周りを気にしてモゴモゴ呟く。
貴重な体験ができるのにもったいない。せっかく来て何してんだ。。



イントネーションも完璧に唱えてやったぜ!修行かんりょー( ´ ▽ ` )ノ
おっと危っぶねー!ちょっと素が出てしまった。である調である調っと!
最後に奥ノ院へ歩いていく。ここには有名な武将達の墓石があった。



日が傾いてきたので、観光案内所のお姉さんに道を聞いて出発。
なんなのだここは酷道ではないか。道が狭い上に砂利道なのである。
不穏な予感。不都合なことはドミノが倒れるように続くものだ。



自転車のライトが切れてしまった。これは困った一体どうしたものか。
今いる場所は川沿いの道だ。柵がないため踏み外せば怪我では済まない。
幸い携帯のライトが使えることに気がつく。この明かりが命綱になる。



真っ暗闇に一人ぼっち。心臓の鼓動トクトクと速くなる。怖すぎなう。
やっとの思いで橋本市に突入した。それはそれは大きな花火が聞こえる。
祭りから帰る家族やカップルの会話が騒めいている。町が見えた。


次回につづく。。



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